日本チェーンドラッグストア協会(JACDS、松本南海雄会長:マツモトキヨシ社長)は、3月2日(金)・3日(土)・4日(日)の3日間、幕張メッセで「第7回JAPANドラッグストアショー」を開催した。

競争激化、市場飽和が叫ばれるドラッグストア業界だが、記者会見では、2009年に施行予定の大衆薬の販売規制緩和に触れ、「業界は新たな第2次成長期へ突入する」と宣言した。条例施行後は、「薬局」でも免許を受けた「登録販売者」となれば、薬剤師なしでも一部の医薬品を販売できるようになる。ドラッグストアでは、「これまで薬剤師不足が恒常的な悩みだったが、薬事法改正でこの問題が解決する」とみており、さらにこの改正を機に24時間営業の展開や、医師の処方せんを受け付ける調剤薬局を併設した店舗を大幅に増やしていく構え。5兆円ともいわれる「調剤市場」へも参入を図る。

今回の大衆薬の販売規制緩和だが、改正の趣旨は「一般用医薬品の販売制度の見直し」にある。一般用医薬品(「大衆薬」)の販売について、リスクの程度に応じて専門家が関与し、適切な情報提供がなされるという、“実効性ある制度の構築を図る”のことが目的だ。大衆薬(市販薬)を3ランクに分け、リスクの高いものは薬剤師による対面販売とし、それ以外は「登録販売者」が適切に販売できるようになる。また、違法ドラッグ(脱法ドラッグ)対策などが盛り込まれる予定。
改正の背景には、(1)リスクの程度に応じた情報提供の重点化(メリハリ)と実効性の向上、(2)一般用医薬品の販売にふさわしい、薬剤師以外の専門家の資質確保――の2つがある。さらに近年、国民の健康に対する意識、関心の高まりから、薬局、薬店において身近にある一般用医薬品を利用する「セルフメディケーション」の意識が高まっており、身近な医療情報提供機関が求められていた。具体的にどうなるかというと、
《現行》
リスクの程度にかかわらず情報提供について一律の扱い
↓
《新制度》
新制度リスクの程度に応じて3グループに分類し、情報提供を重点化。
リスク分類ごとに、リスクの程度が分かる名称とするとともに、記号(例えば、☆印の
数など)を付す
と変わる。その3ランクは、
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A:特にリスクが高いもの
一般用医薬品としての使用経験が少ない等、安全性上特に注意を要する成分を含むもの(11成分)
(例)現時点では、H2ブロッカー含有薬、一部の毛髪用薬 等
B:リスクが比較的高いもの
まれに入院相当以上の健康被害が生じる可能性がある成分を含むもの(200成分)
(例)主なかぜ薬、解熱鎮痛薬、胃腸鎮痛けい薬 等
C:リスクが比較的低いもの
日常生活に支障を来す程度ではないが、身体の変調・不調が起こるおそれがある成分を含むもの(274成分)
(例)ビタミンB・C含有保健薬、主な整腸薬、消化薬
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このうち、「A」は薬剤師が対応しなければならないが、「B」「C」については薬剤師又は「登録販売者」で取り扱いが可能となる。つまり、ドラッグストアで薬剤師がいなくても、「B」「C」に分類された薬だけなら「登録販売者」の免許を取得していれば販売可能。こうしたことから、ドラッグストア業界以外にもGMS総合スーパー、コンビニ業界が大衆薬販売の「登録販売者」を目指しており、状況が複雑化している様相だ。
ネット通販業界に目を転じると、健康食品ECサイトの大手「ケンコーコム」では、「現時点では、法改正について特に答えることはないが、今後の政省令の制定状況を見守っていく。いずれにしても、同業各社と連携、協力して、行政とも相談しながら、消費者が安心して、安全にインターネットで医薬品を購入できる環境をさらに整えていきたい」、と話している。
なお、同サイトの売り上げでみると、医薬品はケンコーコム全体の5~6%程度と少ない。主なユーザーとしては、近くに薬局がない(品揃えが充実していない)あるいは、小さなお子さんがいて薬局にいけない、妊娠検査薬や痔の薬など対面では買いづらいものがほしい、といったユーザーが多いという。また、病気や障害などで外には買い物にいけない状態だが薬が必要、といったユーザーがネット通販を利用している。「とくに、インターネット以外の方法では購入しづらい環境、状況の方にとっては、医薬品を購入する場所として繰り返しご利用いただいているよう」(同社)。
ドラッグストアショーの記者会見で協会関係者は、「薬事法改正を機にドラックストア業界は大きく変わる。医療業界も変わる。ドラックストア業界はグループの寡占化に向かうという方向ではなく、5兆円市場ある“調剤分野”に参入できるようになるからだ」と述べた。「これは1万5000店舗の閉塞感から、一気にマーケットが倍増するということであり、店舗数拡大も図れる」と自信を見せている。
ドラッグストア業界の「第1次成長期」は、いわゆる“パパママ大衆薬ショップ”との軋轢を経て、国民に「ドラッグストア」という概念が浸透。現在は、全国で1万5000店舗のドラッグストアがあり、大衆薬店市場の75%くらいのシェアをもつに至った。
来るべき「第2次成長期」では、業界団体や古い慣行、政府などへの「闘い」と「調整」が始まる見通し(協会関係者)。競業するコンビニなどへの対策としては、「いかに地域に密着できるか、支持されているかが重要。その点でドラッグストアは、地域需要に対する細かな対応が他の業種と比べて優れている」(松本会長)として、地域ニーズの汲み取り、細やかな対応で差別化を図っていく構え。

今後の活動して、(1)薬剤師の確保、(2)プライベートブランドの大衆薬の投入、(3)24時間営業、(4)調剤併設――の4点を掲げた。さらに、協会主導の「ヘルスケアアドバイザー」などの資格試験を設け、施行開始に備える。
なお、マツモトキヨシでは、すでに一部店舗で24時間営業を展開しているほか、同社初のプライベートブランド商品「Retinotime(レチノタイム)」を3月初旬に発売した。アンチエイジング(抗加齢)をテーマにした化粧水、乳液など5商品で、価格は3990円から。“年齢に負けない肌に”をテーマに、年齢の気になる肌に働きかけて、内側からみなぎるようなハリ感を与える商品となっているという。

日本チェーンドラッグストア協会=http://www.jacds.gr.jp/
「第7回JAPANドラッグストアショー」=http://www.drugstoreshow2007.jp/
「ヘルス&ビューティケア人材育成センター」=http://www.hbc-ctr.gr.jp/
マツモトキヨシ=http://www.matsukiyo.co.jp/index2.html
ケンコーコム=http://www.kenko.com/
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【参考資料:】
「一般用医薬品販売制度の抜本的な見直しPDF(厚生労働委員会)」
日本薬剤師会、朝日新聞にPR広告掲載『そうだ、薬剤師に聞いてみよう!』
「改正薬事法成立へ 大衆薬の販売見直し、1~3類に分類(asahi.com)」
「薬事法改正案、大衆薬リスクをランク分け : ニュース : 医療と介護(YOMIURI ONLINE)」


























